株主の皆様には日頃よりご理解とご支援を賜わり厚く御礼申し上げます。
この度、2024年3月期の連結業績を発表いたしました。
2024年3月期におけるわが国経済は、海外向け輸出の減少や物価上昇の影響により一部には弱い動きがみられるものの、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことにより、インバウンド需要の回復や設備投資の拡大など景気は緩やかな回復の動きで推移しました。一方で、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格や原材料の高騰、急激な円安による物価上昇に加え、中国経済の減速、中東地域をめぐる情勢及び世界的な金融引き締めの影響などによる海外景気の減速懸念等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの主力の取引先である自動車業界は日本国内では半導体供給制限の緩和により、自動車の生産台数は回復しましたが、年度末にかけては生産停止により大きく落ち込みました。また、主力市場である中国では経済の減速に伴う自動車販売の不振により業績が悪化しました。
このような状況のもと、当社グループは、社会情勢の変化や需要を的確に捉え、将来を見据えた幅広い視野を持ち、高い付加価値が込められた製品を提案すること、そのような付加価値を創出する「コト作り」に注力した製品開発に繋げ、更に高いレベルでの技術サービスの提供とグローバル化を推進し、M&Aによる事業領域の拡大など、持続的な成長と顧客の信頼を獲得するよう努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は67,733百万円(前年同期比19.3%増)、営業利益は4,555百万円(同24.6%増)、経常利益は5,022百万円(同31.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,601百万円(同45.3%増)となりました。
今後の見通しにつきましては、前中間期に連結業績に寄与しました新規連結会社が次期は期首から連結業績に寄与することから売上高が増加する見込みですが、中国市場における自動車販売の低迷、円安による輸入仕入れコストの上昇、原材料やエネルギー価格の高騰、人手不足や人件費の上昇等により営業利益以下の各利益は減益となる見込みです。このような厳しい状況下でありますが、顧客満足度を高めるべく、質の高い付加価値が込められた製品を提案してまいります。
「私たちは、お客様の価値向上に寄与し、未来創造のパートナーとなりたい」との経営理念のもと、グループ従業員一丸となり、今まで培ってきた顧客からの信頼を大切にし、顧客に対し「あ、それ良いね!」を提供する会社を目指してまいりますので、今後とも変わらぬご支援を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。